幸せって与えてもらうもの?

あなたは今、幸せですか?

私は以前から、人の幸せにとても興味があります。
起業しようと思ったきっかけも、目の前の人たちをもっと幸せにしたくて、
そのために、私自身が自由に行動したいからでした。

しかし、何を幸せと感じるかは人それぞれなので、誰かを幸せにするための答えや方法を探すのって難しいなと感じていました。

でも見つけたんです!
幸福学を専門に研究している慶應大学の前野教授という方は、「幸せはコントロールできる」と仰っているのです。

実はこんなにシンプルなことなのです。
幸せになるためには、幸せになるための知識を持ち、自分の現状を評価して改善のための行動を取るだけなのです。

前野教授は研究の結果、幸せを決定づける4つの因子を見つけました。
つまり、その4つの因子を高めれば、幸せな人になれるのです。

その4因子とは次の4つです。

第一因子:「やってみよう!」因子
自己実現と成長の因子。
自分の強みがあるかどうか、その強みを社会で活かしているかどうか、そんな自分はなりたかった自分であるかどうか、そして、よりよい自分になるために努力しているかどうかなど。

第二因子:「ありがとう!」因子
つながりと感謝の因子。
自分を大切に思ってくれる人がいるかどうか、人生において感謝することがたくさんあるかどうか、日々の生活において、他者に親切にし、手助けしたいと思っているかどうかなど。

第三因子:「なんとかなる!」因子
前向きと楽観の因子。
ものごとが思い通りにいくと思っているかどうか、学校や仕事での失敗や感情をひきずるかどうか、人生で多くのことを達成したと思うかどうかなど。

第四因子:「ありのままに!」因子
独立と自分らしさの因子。
自分のすることと他者がすることを比較しがちかどうか、自分に何ができて何ができないかは外部の制約のせいだと思うかどうか、自分自身についての信念は変化するかどうかなど。

たとえば、自分の強みを自覚できていて、それを発揮できているならば、「やってみよう」因子が高いといえます。
自分と他人を比較して自分にはあれがない、あの人が羨ましいと感じているようであれば「ありのままに」因子が低いといえます。

このように、自分にはどの因子が高くてどの因子が低いのかということを知り、高いものはより高め、低いものも高めていくようにすれば、誰でも幸せになれるというわけです。

健康増進のために運動をしたり食生活に気を配ったりするのと同じように、幸せになるために4つの因子を高めれば良いのだと思えることって、取り組む課題が明確ですごく良いなと思います。

たとえばカウンセリングに来られる方が「私は幸せじゃないんです」と悲しんでいた時に、「あなたは幸せになれるのですよ。なぜなら……」と根拠を示して答えてあげられるんだと思うと、私自身も幸せの伝達者になれる気がして嬉しいなぁと思いました。

さて、ではどうやったらこの4つの因子を高められるかということが問題ですよね。
前野教授はハッピーワークショップというものを開催し、具体的な取り組みを行っておられます。
それが素晴らしい内容だったので、grytteのプログラムでもやりたいなぁと思い、前野教授にコンタクトを取ってみたところ、ご快諾いただきました。

ということで、grytteでも「幸せになるためのプログラム」を行っていこうと思います。
私たちを頼ってくださる皆さまが幸せになるためのプログラムを増やせると思うと、私の「やってみよう」因子が高まってウキウキワクワクしてきます!

幸せになれるかなれないかは、運の良し悪しではありません。
そして幸せは誰かに与えてもらうものではなく、自分が望めば手に入れられるものです。
今よりもっと幸せな自分になるために、私たちと一緒に取り組んでみませんか?

参考文献
(1)前野隆司、幸せのメカニズム-実践・幸福学入門、講談社現代新書、2013
(2)前野マドカ,前野隆司,櫻本真理,“ハッピーワークショップ”の幸福度向上効果,支援対話研究,第4号,2017年3月,pp. 3-16