成長は、結果ではなく過程の中にある
市口 亜希
「もっと成長しなくちゃ」
「成長できていない自分はダメなんじゃないか」
そんなふうに感じることはありませんか？
私のカウンセリングの場でも、「成長」という言葉がよく話題にあがります。
けれども、「あなたにとって成長とは？」と問いかけてみると、案外すぐには答えられないものです。
成長とは、何を指すのでしょうか。
昇進すること？
スキルを増やすこと？
周りから認められること？
でも、それだけでしょうか。
私自身は、少し違う形で「成長」を考えています。
それは、不安を覚えたとき。
「これ、苦手だな」「自信がないな」と思うとき。
そんな状況に出会ったときに、「それでもやってみよう」と思えた自分に出会う瞬間です。
うまくいくときもあれば、失敗することもあります。
でも、うまくいった結果よりも、
そこに向かって考えたり、工夫したり、ドキドキしたり、
そして時には落ち込んだり……
その一つひとつの時間こそが、私を成長させてくれているように思うのです。
だから私は「成長＝結果」ではなく、
「成長＝過程に向き合う自分」だと感じています。
そして、カウンセリングの現場でも、たくさんの“勇気ある一歩”に立ち会ってきました。
たとえば、病気をきっかけに数年間登山をやめていた方がいました。
体力にも不安があり、「もう前のようには登れないかもしれない」と思っていたそうです。
それでも、「また登ってみたい」と心が動いた。
そのときに、「自分がどれだけできるか試したい。良い結果が出るかはわからないけれど」と語っていたその表情を見て、
不安を抱えながらも、それを乗り越えて一歩を踏み出そうとする勇気に触れ、私自身も心が熱くなりました。
また、人と関わることに傷ついた経験から、できるだけ人との関係を避けてきた方がいました。
「自分のことは話さないようにしているし、目も合わせないようにしている」と語っていたその人が、あるときこう話してくれました。
「相手と少しでも深まっていきたいと思って、自分のことを話してみたり、相手に質問してみたんです」と。
その言葉を聞いたとき、私は、その人が不安や恐れを抱えながらも自分を開こうとした勇気に触れて、胸がじんわりと温かくなりました。
さらに、コミュニケーションが苦手で不安を抱えながらも、私のグループカウンセリングに参加してくれた方もいます。
その場で、自分の想いを言葉にしようとしたとき、緊張で声が震えていました。
それでも、震えながらも一生懸命に自分の言葉を紡ぎ出そうとしている姿に立ち会ったとき、
「人が自分の殻を破ろうとする瞬間」に触れて、私の胸も熱くなりました。
こうして振り返ると、成長は必ずしも「大きな成果」として表れるわけではありません。
むしろ「不安を抱えながらも踏み出す小さな一歩」の中に宿ることが多いのだと思います。
「やってみよう」と思えたその瞬間に、人はすでに成長しているのではないでしょうか。
私自身、grytteという活動のテーマに「本・人・旅」というキーワードを大切にしています。
これは、迷ったときや立ち止まったときに、自分を支えたり世界を広げてくれるものとして選んだ言葉です。
本を通して、新しい視点に出会う。
人との関わりの中で、自分の価値観が揺さぶられる。
旅をすることで、不安と期待が入り混じる時間を味わい、新しい自分に出会う。
そうした体験の一つひとつが、成長につながっていくのだと思います。
さて、あなたにとって成長とは、どんな瞬間でしょうか。
結果ではなく、過程の中に。
誰かと比べるのではなく、自分の中に。
その小さな一歩を見つめてみると、きっとすでに成長している自分に気づけるはずです。
不安や迷いを抱えながらでも大丈夫。
あなたの一歩には、きっと意味があります。
「成長できていない自分はダメなんじゃないか」
そんなふうに感じることはありませんか？
私のカウンセリングの場でも、「成長」という言葉がよく話題にあがります。
けれども、「あなたにとって成長とは？」と問いかけてみると、案外すぐには答えられないものです。
成長とは、何を指すのでしょうか。
昇進すること？
スキルを増やすこと？
周りから認められること？
でも、それだけでしょうか。
私自身は、少し違う形で「成長」を考えています。
それは、不安を覚えたとき。
「これ、苦手だな」「自信がないな」と思うとき。
そんな状況に出会ったときに、「それでもやってみよう」と思えた自分に出会う瞬間です。
うまくいくときもあれば、失敗することもあります。
でも、うまくいった結果よりも、
そこに向かって考えたり、工夫したり、ドキドキしたり、
そして時には落ち込んだり……
その一つひとつの時間こそが、私を成長させてくれているように思うのです。
だから私は「成長＝結果」ではなく、
「成長＝過程に向き合う自分」だと感じています。
そして、カウンセリングの現場でも、たくさんの“勇気ある一歩”に立ち会ってきました。
たとえば、病気をきっかけに数年間登山をやめていた方がいました。
体力にも不安があり、「もう前のようには登れないかもしれない」と思っていたそうです。
それでも、「また登ってみたい」と心が動いた。
そのときに、「自分がどれだけできるか試したい。良い結果が出るかはわからないけれど」と語っていたその表情を見て、
不安を抱えながらも、それを乗り越えて一歩を踏み出そうとする勇気に触れ、私自身も心が熱くなりました。
また、人と関わることに傷ついた経験から、できるだけ人との関係を避けてきた方がいました。
「自分のことは話さないようにしているし、目も合わせないようにしている」と語っていたその人が、あるときこう話してくれました。
「相手と少しでも深まっていきたいと思って、自分のことを話してみたり、相手に質問してみたんです」と。
その言葉を聞いたとき、私は、その人が不安や恐れを抱えながらも自分を開こうとした勇気に触れて、胸がじんわりと温かくなりました。
さらに、コミュニケーションが苦手で不安を抱えながらも、私のグループカウンセリングに参加してくれた方もいます。
その場で、自分の想いを言葉にしようとしたとき、緊張で声が震えていました。
それでも、震えながらも一生懸命に自分の言葉を紡ぎ出そうとしている姿に立ち会ったとき、
「人が自分の殻を破ろうとする瞬間」に触れて、私の胸も熱くなりました。
こうして振り返ると、成長は必ずしも「大きな成果」として表れるわけではありません。
むしろ「不安を抱えながらも踏み出す小さな一歩」の中に宿ることが多いのだと思います。
「やってみよう」と思えたその瞬間に、人はすでに成長しているのではないでしょうか。
私自身、grytteという活動のテーマに「本・人・旅」というキーワードを大切にしています。
これは、迷ったときや立ち止まったときに、自分を支えたり世界を広げてくれるものとして選んだ言葉です。
本を通して、新しい視点に出会う。
人との関わりの中で、自分の価値観が揺さぶられる。
旅をすることで、不安と期待が入り混じる時間を味わい、新しい自分に出会う。
そうした体験の一つひとつが、成長につながっていくのだと思います。
さて、あなたにとって成長とは、どんな瞬間でしょうか。
結果ではなく、過程の中に。
誰かと比べるのではなく、自分の中に。
その小さな一歩を見つめてみると、きっとすでに成長している自分に気づけるはずです。
不安や迷いを抱えながらでも大丈夫。
あなたの一歩には、きっと意味があります。
