おすすめの絵本④

今回おすすめしたいのはこちらの絵本です。

タイトル:どうぞのいす
作:香山美子
絵:柿本幸造


うさぎさんが椅子を作りました。
そして、作った椅子の横に「どうぞのいす」という立て札を立てました。

どうぞのいすの立て札を見たろばさんは、背負っていたどんぐりを椅子に置いて近くの木に寄りかかって昼寝をしました。

そこへやってきたくまさんは、どうぞのいすにどんぐりが置いてあるのを見て、
「どうぞならば遠慮なくいただきましょう」と、どんぐりを食べてしまいますが、
空っぽにしたら後の人にお気のどくだからと、
代わりに自分の持っていたはちみつのビンを置いていきます。

その後も、他の動物たちがやってきて、
どうぞの椅子に置かれていたものを食べてしまうのですが
みんな、後の人のために、代わりに自分の大事なものを置いていくのです。

このお話は、とってもシンプルなのですが、なんだかほっこりします。

何かをつくろうとするとき、
誰かの役に立ったら嬉しいなとか
喜んでくれる人がいたらいいなとか、思ったりしませんか?

うさぎさんも、そんな想いだったのかな......

勘違いしたお客さんたちが
後の人のために、別のものを置いて行くのも素敵ですよね。

与えてもらったら、与え返す。
それは、幸せの連鎖のように思います。

でも、ちょっとしたことでも、
うさぎさんのように、最初に行動してみることって難しいですよね。

誰かが喜んでくれたら嬉しいな、でも......
余計なお世話かもしれないし......
そんなこと望んでいないかもしれないし......
逆に気を遣わせてしまうかもしれないし......

なんてふうに思って、せっかく思いついた、誰かのための行動を躊躇ってしまうことはよくありますよね。

誰かが喜んでくれたら嬉しいけれど
喜んでくれなかったとしても
実は役に立たなかったとしても

誰かを想って行動できることって、すごく素敵だなと私は思います。

そして、その気持ちを受け取ってくれた人はまた
次の誰かに、優しい気持ちを届けたくなるものなのだと思います。

誰かのことを想って行動できること。
誰かの気持ちを素直に受け取れること。
自分が受け取ったら、また誰かに与えられること。

簡単そうで難しい。
そして、すごく大事なことだなと感じました!