下手くそなまま生きていく

皆さんは、どんな言葉を聴いた時、勇気をもらえますか?

誰かが自分に掛けてくれた言葉......
本の中の言葉......
歌の歌詞......

意外と身近なところに、素敵な言葉はたくさん隠れているように思います。

今年の1月に「病院ラジオ」という番組を観ました。
私の仲間がこの番組が好きで、私にも勧めてくれました。
サンドウィッチマンが、病院に出張ラジオ局を開設し、患者さんやご家族の本音をリクエスト曲とともに聞いていく番組です。

1月の放送で登場した男性の方の語った言葉と、その方がリクエストした曲が、私にとって非常に印象的でした。
その方は生まれた時から心臓の難病で、その影響で難聴になっており、手話でお話されていました。

彼はずっと、皆とは違うハンディキャップを抱えていることに対して引け目を感じていたそうです。
他の人ができることが自分にはできない。そのことに対してネガティブに思っていたというようなことを話された記憶があります。
しかし、ある曲に出会い、自分の抱えるハンディキャップも含めて自分自身であるということ、闘ってきた日々も自分の証だと誇らしく思えるようになったことを話されていました。

彼がリクエストした曲は、hakubiという歌手の光芒という曲でした。
私はその曲を初めて聴いたのですが、歌詞がすごく素敵だと思ったので、ご紹介させてください。

「光芒」
作詞:片桐 作曲:Hakubi

僕達は下手くそなまま未来を思い描いて
いつかは いつかはって世界に中指を立てる

心を無くせば 強くなれるの
弱さを隠せば 強くなれるの
僕らの証が消えてゆく

容赦ない日差し
お前は甲斐性がないな
わかってるんだよ
わかっちゃいるんだよ僕も

だれかを羨んで妬み僻みを繰り返して
少し不幸でいた方がずっと楽だったんだ

何か一つ 何か一つ
確かなものを探してる
何も見えない闇の先に
かすかな希望を今日も探してる

僕たちはいつまでどこまで頑張ればいいの
果てのない道を ただ歩いている気がするんだ

みんながみんな何か背負って
それでも笑って生きてんのなんて
わかってるよ、わかってるよ
僕だって

生きてゆけ下手くそなまま 未来を思い描いて
いつかは いつかはって世界に中指を立てろ
僕たちの描いた地図がたとえ消えてしまっても
選んだ道をただ進んでゆけ

生きてゆけ


心を無くして弱さを隠して生きていく必要などない。
弱くて下手くそでもいいんだ。
それが自分であることの証だから。
下手くそなことに堂々と胸を張って自分の選んだ道を進みなさい。
そんなふうに背中を押されているような気持ちになります。

カウンセリングの中でも、
自分は弱いとか、情けないとか
辛い、苦しい、悔しい、と言いながら涙を流されることがよくあります。

それもまた、自分と闘っている証だと、私は思うのです。
だから、自分に対してそのことを誇って良いのだと思います。
そして、「下手くそなまま生きていこう」と自分に声を掛けてあげてほしいと思います。

さて、あなたも、あなたを励ましてくれる言葉をもっと探してみませんか?