幸せってなんだろう

幸せとはなにか。
難しい問いですよね。

カウンセラーをしていると、「辛い」「苦しい」「消えたい」といったお気持ちを聴くことが多いのですが、幸せについて考えたことは少なかったように思います。

辛いことは、ずっと頭に残ってしまったり、考えたくなくてもぐるぐると考えてしまうのに、幸せを感じ続けようとしても難しいですよね。

実は、人間が生命活動を維持するためには、幸せというのはあまり必要ない、むしろ邪魔なものだそうです。
なぜなら、幸せを感じて今の状態に満足してしまえば、もう何もしなくて良いと思ってしまい、生きていく上で向上心を持つ妨げになるからだそうです。
脳科学の観点からすると、幸せとはその瞬間のことであり、ずっと幸せな状態というのは存在しないらしいのです。

それを知ったとき、何だかほっとしたのと同時に、「自分は幸せじゃない」とか「幸せにならなければならない」と悩んでいる方々に伝えたくなりました。
幸せのハードルを下げても良いのではないですか、と。

カウンセリングのなかで、「辛い」「苦しい」と訴える方に、最近あった嬉しかったことや楽しかったことを尋ねると、ほとんどの方が答えてくれます。

美味しいものを食べた。
友人と笑い合った。
好きな洋服が買えた。

幸せってそういうことなのではないかなと思いました。
ずっと連続してなければいけないとか
すごく大きなものでなければいけないとか
そういう思い込みが、ささやかな幸せを感じることを邪魔してしまったら残念ですよね。

小さな幸せじゃあ嫌だ! と思うのなら
小さな幸せをたくさん積み重ねれば大きくなるのではないかなと思います。

正解の幸せはないのだから、
自分がちょこっとでも幸せに感じた瞬間を、堂々と堪能したいですね。
幸せとは主観的なものであり、ひとつのものさしで測ることはできないのですから。

ちなみに、私がカウンセラーとして幸せを感じるのは
相談に来てくださった方が、その方にとって大切な何かを発見できた瞬間。
それを共有できたときです。
そして、そのために相談者さんと一緒に模索すること自体が幸せなのかもしれません。