企業向けメンタルヘルス研修

先日、企業に対してメンタルヘルス研修を行いました。
企業に対する研修講師のお仕事は初めてでした。

1対1のカウンセリングでは、クライエントは困りごとや問題意識を持っている状態でご相談に来られるので、その方のニーズに焦点を当てて理解を深めたり、解決方法を探ったりしていきます。
しかし、対企業となるとそういうわけにはいかないので、さてどうしようかなとけっこう考えました。

企業向けメンタルヘルス研修としてよく実施されているようなストレスやセルフケアの話だと、本やネットで得られる知識とそこまで変わらないよなぁと思いました。
加えて、依頼先の企業からのご要望が「働きやすくて離職率の低い職場であるための気づきがほしい」ということでしたので、せっかく依頼してくださったのだから、参加者一人一人が自分の気づきとして持ち帰ることができるような内容にしたいと思いました。

そこで、働きやすくて離職率が低く、生産性が高い組織であるための条件についてお話させていただくことにしました。
それに加え、事前に参加者の方に心理テストを実施し、研修当日にその結果をお渡ししました。

ご自分の性格特性や強みを受け入れ、組織の中でそれぞれが自分の「色」を出せる組織が生産性の高まりやすい組織です。
それぞれ弱みもありますが、それは得意な人に助けてもらえば良いのだと思います。
大事なことは、自分と仲間の強みの生かし方を知っていること、弱みをフォローし合える価値観や体制が組織の中にあることだと思います。

今回研修させていただいた企業は、とても素敵な組織でした。
その組織の長が、ご自分の心理テスト結果を見ながら「自分は人の意見をあまり聞いていないところがあるんだよな」といったようなことを皆の前で仰ったのです。
その一言を聞いた時、素敵だなと感じました。

組織の心理的安全性の高め方として上司は部下に自分の弱みや失敗談を話すと良いと言われています。
それを立場のある方が行うことで、部下は内省の姿勢や次への活かし方を学ぶことができますし、何より弱みを見せても大丈夫なのだという安心感を得て働くことにつながるからです。
その方は意識してその発言をされたわけではないかと思いますが、何気ない発言にその組織の良さが表れているなと感じました。

さて、皆さんはいかがでしょう?
ご自分の強みを自覚できていますか?
仕事の中で、その強みを生かせていますか?
そして弱みを晒すことができますか?

機会があれば、皆さんの所属する組織の中でそういったテーマでミーティングをされることをおすすめします。
そのような場を定期的に設けることが、皆さんの組織の結束力を高めていきます。
もし必要があれば、ぜひその場に私たちを呼んでくださいね!