医療従事者のメンタルヘルス研修

先日、藤沢市のクローバーホスピタルという医療機関で、職員向けのメンタルヘルス研修の講師を担当させていただきました。
役職者向けの研修で、主に部下に対する話の聴き方(傾聴)について理解を深めてもらうことを目的として、グループワークやロールプレイを入れて90分間の研修を行いました。

今回の研修を行うにあたり、クローバーホスピタルの衛生委員会の皆さんと事前準備を行いました。
講義内容の検討、デモ講義、参加者のグループ分け、役割分け、上司役と部下役の方のロールプレイの稽古など、当日の90分のために、多くの方が動いてくださいました。
そのお陰で、当日のグループワークやロールプレイでは活発な意見が出ており、それぞれの参加者の方が、ご自分にとっての気づきを得ていただけたように感じました。

こちらの組織は、職員の皆さんの向上心が高く、一生懸命さが溢れているように感じました。多くの方が自分の意見や想いを持ち、それをしっかり伝えようとするところ、学ぶことや吸収することに熱心なところが、こちらの組織の素敵なところだなと感じました。

私も十年以上病院で働いておりました。自分がその組織の中にいる時は外側から客観的に見ることはできませんでしたが、今回病院での研修講師の機会をいただき、改めて病院という組織の良さを感じました。

病院では、様々な職種の方が働いています。専門性が異なる方がひとつの組織にたくさんいらっしゃるわけですね。
時には専門性や立場の違いから来る価値観の相違や、それを守ろうとする故の意見の対立もあるかもしれませんが、異なる価値観に触れ、それを受け入れて自分の視野や受け皿を広げていけるという意味で、病院という組織は魅力的だと思いました。

イノベーションが起きやすい組織の条件として、価値観やスキルの異なる複数の人がいて、互いの違いを受け入れていることが挙げられています。まさに傾聴を発揮できる場ですね。それを考えると、病院は可能性に溢れた組織のように思いました。

今回の研修のメインテーマは部下の話を聴く際の「傾聴」でした。
しかし傾聴は決して相手のためだけのものではありません。
傾聴する側にとってのメリットも大きいものです。

相手の立場、状況、気持ちに目を向けることは、自分の価値観や視野を広げてくれることでもあります。
様々なことに目を向け、相手のことを理解しようとすることで、自分自身が捉われていることから解放され、柔軟になることにもつながります。

ぜひ傾聴のスキルを誰かのために、そしてご自分のために、使っていただけたらと思います。