行動しただけで100点

カウンセリングを受けてくださっている方の、おまじないの言葉とエピソードについて、ご本人の許可を得たのでご紹介したいと思います。

その方は、どんなことにも真剣に取り組む方です。
仕事では、自分の役割や責任がしっかり果たせるように徹底的に準備してリハーサルをして……
でも、しっかりやろうという意識が非常に強いため、完璧にできない自分を受け入れられず、いざその場面になると固まってしまう。
そうなると周りの人からはできないと思われるし、自分も次もまた同じようになってしまうのではないかと怖い。
この方はこのようなことを何度か繰り返したため、仕事に再度挑戦することのハードルがとても高くなっていました。

しかし仕事において、何もかも上手くいくことなどほぼないですよね。
一生懸命準備しても緊張して力を発揮できなかったり……
自分の準備した内容が見当違いだったり……
それによって上司に怒られたりお客さんにがっかりされたり……

だから、思うようにいかないことが当然なわけで
描いた通りのアウトプットを出せたか出せないかを判断基準として自分に点数をつけなくて良いのではないかと思います。

判断基準はそこではなく
目標や課題に対して自分が行動できたかどうかだと思います。

目標や課題に対し、自分は何ができそうか考える。
考えたことが合っているのか間違っているのか、それを受け取る相手にとってどうなのかは分からないけれど
自分がこれで良いと思える準備ができて、不安や緊張を抱えながらもその場に行けて、一日を終えられたなら、それが100点なのではないかと思います。

それでも相手にとっての自分の評価が低かったとしたら
それは自分にはコントロールできない、仕方のないことです。
次の機会があるならその時に修正して再チャレンジができますし
次の機会がないことならば、「こういう時はこうすると良い、もしくは良くない」という学びが得られたと捉えられます。

この方は、カウンセリングやグループカウンセリングで話したこれらの内容がしっくりきたようで、新たな仕事に行く際に「行動しただけで100点」とおまじないのように何度も唱えながら行ったそうです。

そうしたら、仕事に対するプレッシャーが減り、視野も世界も広がり
任された仕事や、仕事でつながった人間関係を楽しむことができるようになったそうです。
この方は、これまでは上記の理由でなかなか仕事を継続することができなかったのですが、今は継続できていますし、更なるステップアップに向けて取り組んでおられます。

行動しただけで100点
私もいつもそう思っています。
だって、それが本当に難しいことだから。

不安、恐怖、面倒くささ……
色々な感情を抱えつつ行動できた日は、皆さんも自分に100点をあげてくださいね。