人と自分を比べる心理
「あの人は私よりも仕事が出来る」
「私よりもお給料が多い」
「頭がいい」
「かわいい」
「みんなから好かれている」
「高級車に乗っている」
「パートナーがいる」
こんなふうに誰かと自分を比べて落ち込むことってありませんか?
これはあなただけではありません。
実は人間は、他人と自分を比較してしまう生き物だと言われています。
「社会的比較理論」を唱えたフェスティンガーという心理学者は、人が他人と自分を比較してしまうのは本能だと言っています。
だから、誰かと比べて落ち込んでしまう自分のことをおかしいと思ったり責めたりしないでくださいね。
でも、いつも誰かと比べて落ち込んでしまうとしたら、それは辛いですよね。
自分より何かにおいて秀でている人を探そうとしたらいくらでもいます。
仕事、収入、容姿......挙げたらきりがありません。
いつも自分より優れている誰かと比べて自分の欠点を探していたら、毎日毎日落ち込み続けなければなりません。
自分より優れている人と自分を比べる心理を「上方比較」といいます。
「あの人はすごいな。自分もそうなるように頑張ろう」と思うのがポジティブな上方比較。
それに対して「あの人に比べて自分は駄目だ」と思うのがネガティブな上方比較です。
多くの人はネガティブな上方比較をして、自分の欠点を探し出して落ち込むんでしまいます。
では、どうしたらネガティブな上方比較をやめられるのでしょうか。
私が有効だと思う2つのステップをご紹介しますね。
ネガティブな上方比較をやめるためのステップ1
誰かのことを羨ましく思っている自分のことを認めてしまうことだと思います。
「私はあの人のことが羨ましいぞー」と思えると、意外とすっきりしますよ。
逆にいつまでも羨ましいと思っている自分を認めないようにしようと頑張ってしまうと、さらに羨ましい気持ちが強まったり、その相手に対して攻撃心が出てきてしまったりします。
ネガティブな上方比較をやめるためのステップ2
羨ましいと思っている相手のことを、注意深く観察して真似しちゃいます。
たとえば、コミュニケーション能力が高くてみんなから好かれている同僚のことが羨ましいとします。そうしたら、その同僚がどんなふうに他者とコミュニケーションを取っているのか注意深く観察するのです。
言葉遣い、表情、相づちの取り方、話題の出し方、間の取り方、距離の取り方......そしてそれを真似してみると良いですよ。
これは心理学では「モデリング」と言います。この人のようになりたいなと思っている人をモデリングしていると、ちょっとずつその人に近づいてきますよ!
自分の嫉妬を利用できるなんてラッキー! そんなふうに思ったら、誰かに嫉妬してしまうことも悪いことじゃないですね。